料理研究家の高木ゑみさんによる、時間と労力をムダにしない料理の方法を紹介する連載の第6回です。
今回は、食器洗いのポイントについてご紹介します。
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【第6回】
食器洗いのルール:繊細なグラスから始める。
洗った食器を入れていく水切りかご。いま、何が入っていますか?何もなければ、完璧です。
きのう洗った食器がそのまま残っている人。ごはん茶碗やいつも使うお皿の定位置になってしまい、食器棚状態の人。そんな人はこの食器洗いのルールを習慣にしてください。
水切りかごは、その名のとおり、洗った食器の水を切る場所です。収納場所ではありません。
ここがごちゃごちゃしていると、台所全体が乱雑な印象になり、モチベーションが下がります。
水切りかごをいつもスッキリとした状態にするには、洗う順序がポイントです。
食器洗いの順序
調理道具や食器は、どんな順序に洗っていますか?ごはん茶碗は水につけておく、油ものは最後に洗う、などは実践されているかもしれませんが、細かくは気にしていないのでは。
ぜひ次の順序で洗ってみてください。
① 繊細なグラス、コップ類を洗う
② 大きいものを洗う
③ 小さいものを洗う
④ 油がついたものを洗う
① 繊細なグラス、コップ類を洗う
最初に、繊細なグラス、コップ類から洗い始めましょう。スポンジに油がついていないきれいな状態で、割れやすく繊細なグラスを先に洗ってしまいます。
水切りかごには入れずに、タオルをしいて、洗ったら次々に伏せていきます。水切りかごに入れると、倒れて割れる危険性があるからです。
飲食店ではグラス用のスポンジがありますが、家庭で2つのスポンジを使いこなすのは大変です。まずグラスから洗えば油もつかず、割れることもありません。
② 大きいものを洗う
次に、鍋や大皿など、大きいものを洗いましょう。洗ったら伏せてかごに入れていきます。これらの水を切っている間に、先ほどのグラスを拭き、すぐに棚にしまいます。
グラスを伏せていたタオルで、大きな鍋や大皿を拭いて、こちらもすぐにしまいます。
大きいものは台所を占領します。まずはスペースを確保するためにも大きいものから洗って、すぐに片づけましょう。
③ 小さいものを洗う
次に、水につけておいたごはん茶碗や小皿、箸などを洗い、大きいサイズから兵隊さんのように整列させて、水切りかごに置いていきます。
上にどんどん重ねるのではなく、左右に整列させていくことがポイントです。水もよく切れて、たくさんの食器を置けますし、後片づけの時間が短縮できます。
茶碗や器はひっくり返して重ねても大丈夫ですが、底の部分は水がたまりやすいのでよく拭きましょう。
④ 油がついたものを洗う
最後に油がついたものを洗い、シンクのなかを洗い、水切りかごに置いたものをすべて拭き上げ、棚にしまっていきます。
いままで無意識に洗っていた人、食器がジェンガのように危うい状態で積み上がっている人は、ぜひこの方法を試してみてください。
ちなみに、水切りかごの水受けは、シンクに直接水が流れるタイプだとより効率が上がります。
食器用洗剤は1回につき1プッシュだけ
さらにお伝えしたいのが、食器用洗剤の使い方です。1回の食器洗いで、スポンジに何回洗剤を足していますか?
ある一人暮らしの友人は、すぐに使いきってしまうので、1リットルの詰め替えボトルを3本も常備しているそうです。
いくらなんでも多すぎです。友人はめずらしいケースですが、全体的にみなさん使いすぎの傾向があります。
食器洗いの途中で、洗剤は足しません。1プッシュの量で充分です。
小さいボウルに洗剤を数滴落とし、水を加えて薄い洗剤を作ります。水1/2カップに対して、1プッシュぐらいで大丈夫です。
これをスポンジに含みながら洗っていきます。
これで充分、汚れは落ちますし、いちいち洗剤を足すことがなくなり、スピードも上がります。
先ほどの友人にこの方法を教えたら、洗浄力がまったく落ちずに洗えて、しかも経済的!と感動していました。
洗剤はその都度薄めましょう。原液が入ったボトルに水を入れて薄めても、雑菌が繁殖して保存できないのでご注意ください。
※この連載は『考えない台所』(サンクチュアリ出版)からの転載です。
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作者