料理研究家の高木ゑみさんによる、時間と労力をムダにしない料理の方法を紹介する連載の第5回です。
今回は、鮮度を保ちながら野菜をすっきりと収納する方法についてご紹介します。
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【第5回】野菜室のルール:
「立てる」「まとめる」でスッキリさせる。
野菜室は、とにかく「立てる」「まとめる」のルールでスッキリさせます。重ねてはいけません。重ねたら最後。化石への道まっしぐらです。
根菜類
じゃがいも、玉ねぎ、さといも、さつまいも、丸のままのかぼちゃなどは、冷蔵庫でなくても大丈夫。けっこう場所を取るので、真夏以外は冷暗所で保存します。
できれば新聞紙にくるみましょう。土のかわりになって、鮮度を保てるからです。
野菜専用のストッカーや保存袋を利用するのも手です。もし保存場所に迷ったら、食料品売り場の野菜コーナーを参考にするのがおすすめです。
もちろん使いかけは、どんな野菜でも冷蔵庫へ。
たて長の野菜
きゅうり、アスパラガス、小松菜、長ねぎ、白菜、ほうれんそうなど、たてに長い野菜はたてに保存します。育った環境に戻してあげるイメージです。
そうすると、場所も取らないうえに長もちします。葉野菜は、ぬらして固くしぼったペーパータオルを巻いてフリーザーバッグに入れておくと、さらに鮮度が保てます。
じょうずに立てられない場合は、ペン立てや半分にカットした牛乳パックを使うと立てられますよ。
また、ブックスタンドを利用すると大きめの野菜のほうれんそうなども倒れません。
キャベツ、レタス、トマト
キャベツは芯を切り抜き、乾燥防止のために、水を含ませ固くしぼったペーパータオルを詰めます。芯を下にした状態でポリ袋に入れて保存しましょう。
レタスは切ったところから変色するので、芯は取りません。湿らせて固くしぼったペーパータオルに包み、芯を下にして保存します。
トマトはへたから腐るので、へたを下にして保存します。袋詰めされたトマトをそのままにしておくと、へたが別のトマトの果肉に接触し、そこから腐る原因となります。
きのこ類
しいたけは石突(いしづき:根本の硬い部分)を取り、水気をよく拭きます。水がつくとべたつき、傷みやすいからです。軸がついていたほうを下にしてフリーザーバッグに入れます。
ほかのきのこ類も同様に、カサを上にしてフリーザーバッグに入れて保存します。
薬味類、使いかけ野菜
カットしたしょうがやにんにくなどの薬味類は小さくてバラバラになりやすいので、プラスチック容器に入れて「薬味セット」を作るとよいでしょう。香りも強いので密閉しておくのがベストです。
また、にんじん1/3本や、玉ねぎ1/2個など、使いかけ野菜はひとまとめにします。
プラスチック容器やフリーザーバッグに入れて、「早く使いきりたいコーナー」を作りましょう。いちばん目立つところに入れておきます。
<つづく>
※この連載は『考えない台所』(サンクチュアリ出版)からの転載です。
次回予告
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そこで次回は、食器洗いのルールについてご紹介しますよ。
2021年8月4日(水)公開予定です。
お楽しみに!
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作者