保育料や設備などから、認可保育園を希望する家庭が多いのが現状です。ですが、独自のカリキュラムを打ち出していたり、サービスが手厚かったりするなどの理由から、認可外保育園も視野に入れて保活をする人も増えています。
そこで今回、子供を「認可保育園」「認可外(無認可)保育園」の両方に通わせた経験のあるママに、よかった点、イマイチだと思った点をそれぞれ教えてもらいました。
※この記事では、読み間違いを回避するために、認可保育園を「認可」、認可外保育園を「無認可」と表記します。
認可と無認可、具体的に何が違うの?
無認可保育園というと、「認可保育園に入れなかったときの受け皿」と考えている人も多いかもしれませんね。
かつては、「無認可=保育環境が悪い」というイメージがありましたが、最近では、独自のカリキュラムや育児方針を打ち出したユニークな園も増えています。
認可と無認可の両方に子供を預けた経験のあるママの意見を聞く前に、2つの園は具体的に何が違うのか、確認してみましょう(※1,2)。
【違い1】事業の目的
認可 | 無認可 |
自治体の子育て支援事業計画に基づく | 設置者が自由に決められる |
無認可は設置者が自由に事業の目的を決められるため、スポーツや英語、芸術などに力を入れたカリキュラムを組んでいる園もあります。
【違い2】保育料
認可 | 無認可 |
各家庭の所得や環境に応じて自治体が決める | 設置者が自由に決められる |
【違い3】運営費
認可 | 無認可 |
自治体から支援がある | 原則として、保護者からの保育料のみ |
違い2、3からもわかるように、無認可のほうが保育料が高額になることが多いようです。
【違い4】申し込み・選考方法
認可 | 無認可 |
市区町村に申し込み、選考・調整される | 園に直接申し込む。選考方法は、園によって異なる |
【違い5】調理室の設置(給食)
認可 | 無認可 |
調理業務の委託可、外部(業者)からの搬入は満3歳から可 | 弁当の持参可、外部(業者)からの搬入可 |
調理室は、設置基準の違いの一例になります。このほかに、職員の資格や配置人数、施設や園庭の広さ、設備などの基準が異なります。
認可・無認可で大きくこのような違いがありますが、無認可であってもすべての施設が、都道府県が行う指導・監督の対象となります。
認可・無認可、どちらに通わせている?
圧倒的に認可保育園が多い結果となりましたが、「無認可を希望したけれど、選考で落ちて認可に通わせている」と回答したママもいました。
なぜ、認可・無認可に通わせているのか、その理由について聞いてみました。
【認可】給食・おやつが手作りだったから
9ヶ月の子供を認可保育園に通わせています。
見学時に先生の雰囲気がよかったことと、離乳食とおやつがすべて手作りだった点が決め手です。
あゆゆママ
【認可】設備や教育方針で決めました
オートロック、床暖房完備だったので、安心して子供を預けられると思いました。
また、モンテッソーリ教育を取り入れている点にも惹かれました。
Mamanママ
【無認可】認可より安く、負担も少なかった
おむつや布団を持参する必要がないという点が最大の魅力でした。
保育料を計算したところ認可とほとんど変わらず、おむつ代が浮くのでむしろ家計が助かっています。
施設もきれいだったし、保育士さんの印象もとてもよかったので無認可を選びました。
こはるママ
会社から補助があったため
企業主導型の園(無認可)に通わせています。会社から保育料の補助が出るため、家計も助かっています。
ゆゆママ
【認可・無認可保育園】
両方通わせたママの比較レポート
ここからは、無認可から、認可に転園を経験したママに、両方のよかった点、イマイチだと思った点を詳しく教えてもらいました。
1. 認可と無認可、雰囲気がかなり違います
パンダうさぎコアラママのレポート
● ママの勤務体系:フルタイム
● 職場復帰の時期:2018年4月
● 復帰時の赤ちゃんの月齢:1歳2ヶ月
【無認可のよかった】アットホームな雰囲気
子供の人数が少なかったので、園での子供の様子をいろいろ聞ける雰囲気がとても好きでした。
お昼寝用の布団を用意しなくてもよかったり、料金も思っていたよりも安かったので負担は多くなかったです。
【無認可のイマイチ】施設が狭いです
やはり、施設は少し狭いな…と思いました。園庭もないので、体をあまり動かせない点は気になりました。
【認可のよかった】システムが整っています
行事や連絡など、何事においてもシステムがしっかり整っている印象です。また、子供の人数も多いので、集団生活に慣れさせることができていると思います。
【認可のイマイチ】先生とのやり取りがドライ
子供が多い分、先生がとても忙しそうです。そのため、園での様子を先生から聞いたり、育児の悩みは相談できなくなってしまいました。その点は、ちょっと寂しいですね。
2. 保育料は差がありました
たまママのレポート
● ママの勤務体系:フルタイム
● 職場復帰の時期:2018年4月
● 復帰時の赤ちゃんの月齢:5ヶ月
【無認可のよかった】先生との距離感が近い
アットホームな雰囲気で、先生が子供の様子をよく見てくれていると感じました。
【無認可のイマイチ】保育料が高かった
私が預けた無認可は、保育料が高い点が残念でした。また、預ける時間によって保育料が変わるので、いつも料金が気になりました。
【認可のよかった】一定料金なので安心
延長保育をしなければ保育料金が変わらないので、そこはよかったです。また、子供の人数が多いので、集団生活に慣れさせることもできたと感じています。
【認可のイマイチ】認可は融通が利きません
認可はいろいろなルールがきっちりしているので、無認可のときのような融通は利きません。また、PTAのような役員会もあって、その仕事が大変なのでちょっとイヤです…。
3. いちばんの差は給食の質でした
ハハハママのレポート
● ママの勤務体系:フルタイム
● 職場復帰の時期:2017年4月
● 復帰時の赤ちゃんの月齢:11ヶ月
【無認可のよかった】対応が柔軟で助かりました
仕事の都合で、急に預かり時間に変更が発生しても、柔軟に対応してくれたのはとても助かりました。また、異なる年齢の子供との関わりがあった点もよかったと思います。
【無認可のイマイチ】給食とおやつが残念
給食やおやつは、噂には聞いていたけれど残念な内容でした。
また、晴れた日は公園に散歩に連れて行ってもらえますが、雨の日は狭い園内で遊ばなくてはならず、子供もストレスが溜まったんじゃないかな…と思います。
【認可のよかった】給食がおいしい
給食が手作りで、いろいろな工夫がされています。おかげで、子供の好き嫌いが改善しました。また、先生がしっかりしている印象があります。
【無認可のイマイチ】希望の園に入れないことも
倍率が厳しいので、希望の園に入れるとは限らないところ。我が家は子供が3人いますが、兄弟で園が別になってしまいました。
4. 教育の熱心さが違いました
なつさやママのレポート
● ママの勤務体系:時短勤務(週5日)
● 職場復帰の時期:2017年6月
● 復帰時の赤ちゃんの月齢:11ヶ月
【無認可のよかった】とても教育熱心でした
英語やリトミック、絵画などの習いごとがあり、いろいろな刺激を与えてもらいました。おむつも、布おむつオンリーでした。
【無認可のイマイチ】施設が古くて狭かった
築年数がかなり経過したビルの中にあり、やはり狭さは感じましたね。
【認可のよかった】施設が広くて気持ちいい
教室が広くて日当たりもバッチリ、風通しもよいのでとっても気持ちのいい環境です。園庭があるのも、無認可との違いですね。
先生もベテランが多く、雰囲気も落ち着いてなごやかです。
【無認可のイマイチ】
習いごとがない点は、残念です。
保育園は赤ちゃんと家族に合った園を探そう
認可と無認可の両方に子供を通わせたママの比較レポート、いかがでしたか?どちらがよい、悪いではなく、保育園ごとに特徴があることがわかったのではないでしょうか?
また、無認可=保育料が高いと思いがちですが、場合によっては、認可よりお得な場合もあるようですね。
保育園は、大切な赤ちゃんを預かってもらう第2の家庭。しっかりと見学して、赤ちゃんとママや家族に合った園を探してくださいね。
※アンケート概要
実施期間:2018年10月15日~2018年10月22日
調査対象:保育園に子供を預けた経験のある「ninaru baby」読者
有効回答数:140件
収集方法:Webアンケート