保育園の送り迎えや買い物にあると便利なのが、自転車。しかし、子供を自転車に乗せるときは、危険がないかしっかりと注意する必要があります。特に注意したいのが、抱っこ紐をつけたまま自転車に乗るとき。
そこで今回は、実際に抱っこ紐を使って自転車に乗ってみました!
抱っこ紐で自転車に乗っていいの?
東京都が定める道路交通法によると、原則、自転車には運転者以外の人を乗せることはできません。しかしいくつか例外があり、抱っこ紐の場合、抱っこではなく「おんぶ」をする、かつ、他に幼児が1人以下しか乗っていない場合であれば、使用することが許されています。
まとめると…
抱っこ紐で自転車に乗っていいのは、下記の2つを満たす場合です。
逆に下記のどちらかひとつに当てはまる場合、抱っこ紐で自転車に乗ってはいけません。
これらのルールは自治体によって異なるので、お住まいの自治体のHPなどで確認してみてくださいね。
実際に抱っこ紐で自転車に乗ってみた!気をつけたいポイントは?
東京都の道路交通法を例に取ると、「おんぶなら抱っこ紐を使っても違反ではない」ですが、実際街中を見てみると…。抱っこの状態で自転車運転しているパパママって多いですよね(逆に、おんぶで自転車運転している人をあまり見たことがありません)。
そこで、抱っこしながら自転車に乗るとどうなるのか、ninaru baby編集部で実験してみました(※)。実際に危険だなと思った場所をご紹介します。
今回実験に協力してもらったのは、編集部のポテトさん(社内通称です…)。1児の父で、普段から抱っこ紐を使うことが多いんだとか。
「いくぞー!」とやる気満々のポテトさん。片手を上げて、カメラに向かってしっかりアピールです。
と思いきや…、おっとっと!
\危ない!/
抱っこ紐をつけて自転車に乗るときは、必ず両手をハンドルに添えましょう!赤ちゃんが抱っこ紐のなかで動くなどして、思いがけずバランスを崩してしまうことがあるので、注意です。
あー、危なかった。ポテトさんしっかりしてくださいよ。それでは、自転車で道に出てみましょう。
抱っこ紐×自転車で危険なケース1.段差
まず気になったのが、自転車で車道から歩道に乗り上げるときの段差。
斜めになっているし、そんなに大した段でもないし、大丈夫でしょう…という油断が危険。自転車のハンドル操作を誤ると、転倒につながります。
特に抱っこの状態だと足元が見えづらく、バランスを崩したときに段差を足で捉えにくいというのも危険なポイントです。
高さのある段差はできるだけ避けたいもの。そして段差を超えるときは、自転車のスピードを落として、慎重に運転してくださいね。
抱っこ紐×自転車で危険なケース2. 人とすれ違うとき
大柄な男性が歩道を歩いています。その向こうに見えるのは、自転車に乗ったポテトさん?
え、そのまま進むとぶつかるんじゃ…。ポテトさん、ちゃんと避けて…。
きゃーギリギリ!!危ない!!!
自転車は意外と幅があります。抱っこ紐で歩いているときの感覚で、「このくらいのスペースがあれば大丈夫だろう」と思っていると、人にぶつかりかねません。
直前で無理にハンドルを切ると、転倒のリスクもありますね。抱っこ紐をつけていると、自転車のバランスも取りにくくなります。
できれば広めの道を通ること、そして人とすれ違うときは、スペースに余裕を持つことが大切です。すれ違うのが難しそうな場合は、少し手前で自転車のブレーキをかけ、待っていましょう。
抱っこ紐×自転車で危険なケース3. 坂道
続いて自転車に乗って向かったのは、坂道。
傾斜があればあるほど、シューッとスピードを上げて走り降りたくなるかもしれませんが、自転車でスピードを出すのは危険。車や人が飛び出してきたときにブレーキをかけられませんし、スピードが出すぎていると、ハンドル操作で自転車の小回りを効かせるのも難しくなります。
抱っこをしている場合、自転車の急ブレーキをかけて前かがみになった際に、赤ちゃんが頭から抜け落ちてしまう危険もあります。
ポテトさんのように自転車のブレーキをしっかり握りながら走行するか、一旦自転車から降りて、押して歩くことをおすすめします。
抱っこ紐×自転車で危険なケース4. 車道
道路交通法上、自転車は「軽車両」とみなされるので、原則、車道を通る必要があります。
しかし抱っこ紐を着けて車道を走ってみると…。
ちょっとポテトさん!大きなトラックに挟まれていますよ!危ない!
涼しい顔で走ってるけど、見ているこっちがヒヤヒヤ…!
自転車で車道を通らざるを得ないときは、できるだけ広くて交通量の少ない車道を選びたいところです。
可能であれば、下記のような標識がある「自転車及び歩行者専用」の道路や、「自転車横断帯」を選ぶのがおすすめです。これは赤ちゃんを抱っこしていようがいまいが、自転車に乗るときはいつでも気をつけたいところですね。
出典: www.keishicho.metro.tokyo.jp歩行者と自転車だけが通行できる専用道路。小中学校や幼稚園の付近に多く、時間が指定されている場合もあります。
出典: www.keishicho.metro.tokyo.jp自転車が横断するときに通る場所。交通量の多い交差点などに設置されています。
そうはいっても、子供乗せた自転車は重量が重くなりやすく、少しバランスを崩すとすぐには元に戻れないことも。さらに抱っこ紐をしていると、重心をとりづらい状態にあります。車道で自転車ごと倒れかけるなんて、危険以外の何ものでもありませんよね!
車道を通らなければいけないところでは、抱っこ紐での自転車運転は特におすすめできません。
抱っこ紐での自転車は安全第一で!
抱っこ紐で自転車に乗ることは、全面的に禁止されているわけではありません。しかし、ママやパパがきちんと意識していないと、意外と危険がいっぱいだということがわかりました。
抱っこの状態で自転車に乗ったときに危険な理由をまとめると、下記のようになります。
- 視認性が悪い、足元が見えづらい
- ハンドルやブレーキの操作性が悪い
- 重心が取りづらい
- 前かがみになったとき、赤ちゃんがずり落ちる可能性がある
今回は抱っこで検証しましたが、道路交通法では違反にあたらないおんぶの状態で自転車に乗るときも同じです。抱っこに比べると、おんぶのほうが操作性や視認性はよくなりますが、自転車ごと転倒するリスクや赤ちゃんへの危険性は変わりません。
急いでいて、ついつい自転車で車道を全力疾走してしまったり、道がわからなくなってついつい片手でスマホの地図を見てしまったりしたくなる気持ちもわかるのですが、絶対にやめてください!!
抱っこ紐での自転車は安全第一です。自転車を運転するママ・パパが赤ちゃんの安全をしっかり守ってあげてください。
自転車で「いくぞー!」のポーズも、みなさんは真似しないようにしてくださいね。
※編集部ではわかりやすく「抱っこ」の姿勢で人形を使って撮影していますが、多くの自治体では抱っこで子供を自転車に乗せるのは違反です。必ず「おんぶ」の姿勢で運転してください