母乳で赤ちゃんを育てようと奮闘していると、周りの人のひと言に傷ついてしまったり、悩んでしまうことも少なくないですよね。
なかには、自分を責めてしまうママもいます。
ー赤ちゃんのためにやりたいことを我慢して、食べたいものを我慢してー
ー赤ちゃんが微笑むとそれだけでうれしくて、体重が増えればまたうれしくてー
こんなにもママは頑張っているのだから、もっともっと、その頑張りを認めてもらってもいいのに、と私たちは思います。
母乳で悩んでいるのはあなただけじゃないよ
「ninaru baby」のアンケート(※)から、こんなにも多くのママが、母乳について悩んでいることがわかりました。
予想をはるかに超えるこの数字は、それだけ、ママが赤ちゃんを思い、思うからこそ苦しんでしまう現実を現しているのではないでしょうか。
その悩みは、赤ちゃんの栄養源であるおっぱいが足りているのかどうか、そして、赤ちゃんにたくさん飲ませてあげたいのにおっぱいがトラブルを起こしてしまった…、というものに票が集まりました。
母乳外来、行ったことはありますか?
そんなママの味方ともいえるのが、「母乳外来」です。
授乳中に起こるおっぱいトラブルのケアや、授乳のアドバイスなどをしてくれます。なかには、夜泣きや離乳食の進め方など、おっぱい以外の相談に乗ってくれるところもあります。
ですが、母乳外来にかかったことのあるママは、半数にも満たないという結果でした。
80%を超えるママが
「母乳外来に行ってよかった!」
赤ちゃんがおっぱいを飲む量や発育のペース、ママの体調などには個人差があるので、一般的なアドバイスが当てはまらないこともあります。
「個人差」という3文字は、一見、安心感を与えるように思えますが、ママにとっては不安を掻き立てる文字なのかもしれません。
母乳外来では、ママや赤ちゃんの日々の様子にしっかり耳を傾け、そのうえで、個性や状況に合った具体的なアドバイスをくれます。
母乳外来に行った経験のあるママの、リアルな声を紹介します。
授乳中に子供がすぐに口を離してしまうので、おっぱいの出が悪いために疲れてしまうのだと思い込んでいました。
母乳外来で診てもらったところ、実はおっぱいの出がよすぎて飲みにくいということがわかり、適切なケアや飲ませ方の指導をしてもらいました。
Aママ
子供の吸う力が弱く、おっぱいが出ている実感が持てないときに、母に「おっぱいが足りていない」と言われて傷ついたことがありました。
母乳外来でおっぱいの様子や子供の体重の増え具合を見てもらい、「大丈夫」と言ってもらったときは本当にうれしかったです。また、他のママさんに会うと「みんな頑張っているんだ」と思え、勇気が出ました。
そうのしっぽママ
ずっと、おっぱいが足りないのでは?という不安があったので受診しました。
おっぱいが出ていることが確認できたし、何より、授乳のさせ方や赤ちゃんの吸い方も見てくれて「とっても上手よ。頑張ってきたわね」と褒めてくれ、その日をきっかけに自信を持てたと思います。
デイジーママ
どうやって探した?重視したポイントは?
実際に母乳外来に通った経験のあるママは、赤ちゃんを連れての外出になるのでアクセスのよさを重視している人が多い結果となりました。
「その他」は、以下のような意見が多数を占めました。
- 体調が思わしくないので、訪問してくれることが絶対条件だった
- 訪問を希望していたので、家に入れても嫌だと思わない人であること
- 自分の考えとズレがないところ
その他に、以下のような意見もありました。
大学病院の産科だったのですが、「これでいい」「問題ない」だけで終わってしまった。とてもガッカリしました…。そこにはもう行っていません。
はくママ
初めに通っていたところはアドバイスもなく、力ずくのマッサージだけでとにかく痛かった。
ほかの母乳外来に変えたら、話を聞いてくれたうえでアドバイスをくれるし、本当に助かっている。自分に合うところを見つけるのがいいと思います。
ひなママ
悩みを相談したりアドバイスを求めに行くので、助産師さんや看護師さん、医師との相性はとても大切ですね。
母乳外来でできることって?
この章では、一般的な母乳外来でできることや、料金についてご説明します。
ケアの内容は院によって異なるので、事前にホームページを見たり、電話で確認するなどしてくださいね。
母乳外来でできること
- おっぱいのトラブルケア(乳首のケア、おっぱいマッサージ)
- 授乳指導(赤ちゃんの哺乳量測定、乳首のくわえ方、タイミング、ミルクの足し方など)
- 搾乳指導
- 育児相談(離乳食や夜泣きなど)
- 卒乳相談(卒乳後のおっぱいのケアも含む)
母乳外来の費用
母乳外来は病気を治療するところではなく、母乳育児の相談に乗ってもらうところです。そのため、基本的には自由診療となり、健康保険が効きません。
診察料は院によって異なりますが、初診料が5,000円前後、再診料が3,000円程度のところが多いようです。
おっぱいマッサージは、別途費用が発生するところもあるので、事前に確認しておきましょう。
ただし、乳腺炎などを発症し、産婦人科や乳腺外科での治療や薬の服用が必要となる場合の治療費は、保険の適用範囲内となります。
助産師が教える!
母乳外来の上手なかかり方とは?
佐藤さん
母乳外来では、おっぱいのトラブルだけでなく、「母乳が出ているか心配」「赤ちゃんが母乳をうまく飲めない」「赤ちゃんの体重が増えない」「ミルクの足し方がわからない」といった気がかりに対応しているところもあります。
病院や産院を退院してから、お家で一人で悩んでしまう前に、母乳ケアをおこなっているクリニックに足を運んでみるのも一つの手です。
その際、ご自宅での授乳の様子がわかるように、何時におっぱいをあげているのか、ミルクはいつ・どれくらい足しているのか、おむつ替えの回数などをメモしておくと、より具体的なアドバイスをもらえますよ。
河井さん
母乳外来は、ママがどうしたらいいか迷うことがあったら気軽に相談できる場所です。おっぱいのマッサージだけを行っているわけではありませんよ。何か相談したいことがあったら、気軽に電話してみましょう。
ママ友や周りの人の意見は参考になることもあれば、振り回されてしまうこともありますよね。そうなってしまう前に、早めに行くことをおすすめします。
相談したい内容、相談したいことが起こったときの様子、授乳の様子(1日の授乳回数と時間、1回あたりにかけた時間、排泄の回数)などを記録して持っていくと、具体的なアドバイスをもらえますよ。
また、普段の授乳の様子で気になることがある場合は、動画や写真などを撮っておくのもいいですね。
1人で悩まないで。
ママの味方はたくさんいるよ!
多くのママが母乳育児で悩み、傷つき、時に自分を責めてしまっています。でも、そのすべてが、我が子を愛するからこそ。
ママには、絶対に味方がいます。その一つが「母乳外来」です。
心や体が悲鳴を上げてしまう前に、「母乳外来」を頼ってみてください。悩みや不安を打ち明けるだけでも楽になり、アドバイスをもらうことでスムーズにいくこともあります。
同じ悩みを抱えるママと出会い、一緒に頑張る仲間ができるかもしれません。
ママは1人じゃないよ。ママを受け入れてくれて、認めてくれる味方を見つけてくださいね。
※アンケート概要
実施期間:2018年9月13日~2018年9月17日
調査対象:「ninaru baby」を利用しているママ
有効回答数:2,560件
収集方法:Webアンケート