PICKUP育児エッセイ

昨日の夜、初めて家を飛び出しました|PICKUP育児エッセイ#30

「今日はちょっと疲れているかも」という時、普段なら気にならないことが心に引っかかる経験はありませんか?

今回ご紹介するエッセイの作者である山本洋正さんは、このお話当時3歳の双子のパパ。

いつも通りに子どもたちの就寝準備をしていた夜、ふとしたことがきっかけで起きてしまった、ある”事件”のお話です。

昨日の夜、初めて家を飛び出した

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双子が生まれてから早3年がたち、生まれたばかりのことを考えれば、それはもうめちゃくちゃ楽にはなってきています。

そんな時期ですが、あることをきっかけに我慢できなくなって、この事件が起こりました。

正直はずかしいし、あまり書きたくないという気持ちもあります。

でも、自分への戒めも込めてそのときの感情を忘れないうちに書いておきます。

こんなのよくあること、だったのに

pick up 飛び出した夜

直接のきっかけは、お風呂上がりのドライヤーでした。


最近双子は、お風呂上がりのドライヤーを僕にかけてもらうのが嫌なようです。


まあ、よくあることです。それ自体はまったく気になりません。

妻はごろごろしているので、僕がかけ始めたのですが、いつも通り「いやー。ママーがいい!」と言って嫌がります。

でも横になったままの妻。

視線はスマホを凝視しており、動く気配がありません。

僕はさっさと終わらせて早く寝かせたいのでそのまま強行します。

双子が本気で嫌がって走って逃げ出します。

「ママ!!」いつものふざけている感じではなく、本気で嫌な様子になってきました。

まだ妻はスマホから目を離しません。


だんだんイライラしてきました。


「ママがいいんだって」と話しかけますが、妻からは反応がありません。


イライラ度アップです。


「だってママやってくれないんだもん」

こちらも意地になってきて、さらにドライヤーを強行します。

泣いて嫌がる双子からついにでた言葉。


「パパあっち行って!!」


ここで抑えられなくなりました。

「じゃあ、あっち行ってくるよ」と言い残して家を飛び出してしまいました。

気づいたら、心が限界だった

pick up 飛び出した夜

「え、そんなことで・・・」

そう思われると思います。

僕も書いていて「おいおい、そんなことで家を飛び出すのか。こいつ大丈夫かよ。」と思っているぐらいです。笑


でも事件がおこるきっかけなんてだいたいは些細なことなんです。


こんなやりとりも日常茶飯事。

双子が「今はママに」やって欲しいのもわかっています。

普段ならちょっと待って妻に変わってもらうなり、気分をそらせつつ隙をみて自分でやります。


しかし、気づかないうちにいろいろ溜まっていたのかもしれません。


確かに最近、時々言うことを聞かない子どもたちや、

(3歳になったばかりなんだから当たり前。むしろ時々なんだから、まだマシなほうだと思う)

子どもたちの要求を無視することがある妻に対して、

(いつもそうではない。疲れや体調の事情がある。全部対応できるわけがない。しょうがない)

僕が勝手にイライラすることが多かったように思います。


前日に寝不足だったのも、悪かった気がします。

離れてみることで、気持ちの整理ができた

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「今日は帰らない!」ぐらいの勢いでした。

しかし結局、10分車を走らせてコンビニでコーヒー買って飲んでたら頭が切り替わって、30分で帰宅。

子どもたちの前では

「パパは急にコーヒーが飲みたくなって買いに行ったんだよ」と強がりました。笑

妻はというと


「私も2人が赤ちゃんだったころ、何回も飛び出したもんね。気持ちはわかるなあ」と笑ってくれました。


双子が半年から1歳になるころ、月1回位のペースで妻も家を飛び出していたんです。

ここ数年はめっきりなくなりましたが。

そのときは僕の方が冷静で(しんどいもんね。帰ってきたら絶対に温かく迎えるぞ!)といつも心に決めていました。

当時の妻が同じ気持ちだったかどうかわかりません。


ただ、帰ったときに温かい反応で迎えてくれたのは本当にありがたかったです。


飛び出して帰ってきたあと、いつも妻はすっきりとしていました。

自分でやってみて、気持ちがよくわかりました。

絶対にしばらく帰らないぞ、と思って飛び出しても、時間がたてばやっぱり帰ろうという気持ちになることも。


物理的に離れることは、気持ちを整理するのには本当に効果がありました。

弱音をはきだし合い、溜め込まないように

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なんでも夫婦で話し合って決めるのは、確かに理想かもしれません。


でも、全部が全部そうできるわけでなく、完璧を求めると互いにとても疲れてしまう気がします。


うまく伝えられなくとも、話し合えることは話し合って決め、空気を読むところは空気を読む。

それでもダメな場合は、こうやって小さな事件を起こしつつ、少しずつ良い方向に進めていく。

ちょっとずつスタイルを確立していく、それが我が家流なのかもしれません。

個人的に、家庭ではお互いに弱音をはきやすい雰囲気がとても大切だと思っているんです。


もっと気軽に弱音を吐き、あまりストレスを溜めないように。


夫婦で支えあいながら子育てしていければいいなと思っています。

子育ては長期戦。

いろいろ、ありますからね。

※こちらは2019年7月頃のお話です。

記事提供:山本洋正


山本洋正

山本洋正

作者


競馬が好きなシステムエンジニア。2016年、双子の誕生をきっかけに2年間の育休を取得。2020年3月、第3子の誕生で再び1年間の育休を取得中。夫婦でお互いに満足できる働き方と家事育児の分担を目指しnotetwitterに日々をつづっています。


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