新型コロナウイルス対策として重要と言われているのが、部屋の「換気」です。しかし、冬は部屋が寒くなったり、電気代が高くなったりするのが気になり、窓を開けるのが億劫になっていませんか?
今回は、空気の超プロ、ダイキン工業株式会社の広報さんに効率的に換気をする方法と冬場の換気のコツを教えてもらいました。
なぜ部屋の「換気」が必要なの?
新型コロナウイルス感染防止対策において、「換気の悪い密閉空間を避けましょう」とよく聞くと思います。しかし、そもそもなぜ換気が必要なのでしょうか?
閉め切った部屋は、空気が部屋の外に出にくく、汚染物質がずっと部屋の中に存在したり増え続けたりしてしまいます。
特にみなさんの住んでいる家やマンションの多くは「気密性」が高く、なにもしないと汚れた空気が部屋中に溜まったままになります。
部屋の空気中にある汚染物質は人間に対して悪い影響を与えるので、部屋の外に出したり薄めたりするために換気が大切です。
編集部石川
新型コロナウイルスの感染を防ぐために、どの程度の換気を行えばよいのか、現状では科学的根拠は得られていません(※1)。しかし、正しい換気の方法は汚染物質がなんであっても変わりません。なので、換気の基本的なポイントをおさえましょう!
エアコンでは換気できない!?
窓を開けなくても、エアコンで換気をすればよいのではないか?と考える人もいるかもしれません。
しかし、ほとんどのエアコンで換気ができません。
エアコンは、部屋の空気を吸い込み、その空気を冷たくしたり温かくしたりした後に部屋に戻しています。つまり、エアコンは部屋の中の空気と外の空気を入れ換えていません。
換気は、部屋の中の空気と外の空気を入れ替える必要があるので、エアコンで換気はできないのです。
効率的な換気の超基本!
空気の通り道の作り方とは?
換気の基本は、窓を開けること。より効率的に部屋の換気をするには、ただ窓を開けるのではなく「空気の通り道を作る」ことが大切です。
部屋の空気の通り道を作るために、窓を開ける際には次の4つのポイントを意識しましょう。
ポイント①
部屋の対角線上にある窓を開ける
出典: www.daikin.co.jp
窓を開けて換気をするときは、2カ所の窓を開けるのが基本です。その際、上のイラストのように2つの窓が対角線上にあると効率的です。
場所が近い2つの窓を開けると部屋全体の空気が流れず、換気の効率が悪くなってしまいます。
ポイント②
風の入り口は小さく、出口は大きく開ける
風や空気は、小さい隙間から勢いよく入り、大きい隙間から出て行きやすいという性質があります。
そのため、もし窓から風が入りにくい場合は、外から風が少しでも多く入ってくる側の窓を小さく開けて、もう一方の窓を大きく開けてみましょう。
ポイント③
窓が1つしかない場合は、扇風機を使う
出典: www.daikin.co.jp
もし窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて置いてみましょう。
部屋の空気を外に流すために、扇風機の向きは必ず窓の方へ向けてくださいね。
ポイント④
台所の換気扇を活用する
対角線上に窓がなかったり、窓が1つしかなかったりする場合は、台所の換気扇を活用すると効果的に換気ができます。
台所の換気扇を使用する場合は、台所からできるだけ離れた窓を開けることで部屋全体が換気されますよ。
窓を2つ開けている場合でも、台所の換気扇は換気をアシストしてくれるので、ぜひ併用してみてくださいね。
編集部石川
2003年7月以降に建てられた家やマンションの場合、もともと24時間換気システムがついています。家やマンションの換気システムは、2時間で室内の空気をまるまる一回入れ替えることができるようになっています(※2)。窓を開けるだけでなく換気口は開けた状態で、24時間換気システムはいつもオンにして使うことも忘れずに!
ここまで効率的な換気の方法をご紹介してきましたが、子供と過ごす部屋の室温はできるだけ変えずに換気をしたいですよね。
そこで、空気の超プロ、ダイキン工業株式会社の広報さんに、冬場の換気のポイントを聞いてみました。
冬場の換気のポイントは2つだけ!
出典: www.daikin.co.jp
1. 部屋を暖めたまま換気する
朝や外から帰って来た時に換気する場合は、まずエアコンの暖房を入れて部屋が暖かくなってから換気をしましょう。そして、エアコンのスイッチはオンのまま換気をするのがポイント。
冷えた壁や床、天井を暖めておけば、窓を開けて換気をしても部屋の温度が下がりにくいですよ。
エアコンの暖かい空気を外へ逃さないために、なるべくエアコンから遠い窓を開けるようにしてくださいね。
暖房をつけたまま窓を開けるのは電気代が気になるのですが…なぜエアコンはオンのまま換気するのがよいのでしょうか?
編集部石川
ダイキン工業広報さん
エアコンを一度消してしまうと、換気後に運転を開始する頃には、室温が下がり設定温度との差が広がります。するとエアコンへの負荷がかかり、電気代が上がる要因になります。また、エアコンは起動時に一番消費電力がかかるため、オンオフはなるべく繰り返さない方がおすすめです。
2. 換気は”短時間をこまめに”
10分の換気を1時間に1回するよりも、5分の換気を1時間に2回する方が換気の効果は高くなります。できるだけ回数を多く換気する方が効果的なので、基本的に換気のために長時間窓を開けておく必要はありません。
冬場の換気は、「5分より少し短めの換気を1時間に2回」することを目安にしてみましょう。
冬は夏と比べて室内と室外の温度差が大きく、暖かい空気が冷たいところに逃げようとするので、窓を開けると空気が自然に流れやすくなります。
そのため、冬は夏よりも少し短い時間でも十分な換気ができますよ。
1回あたりの換気時間を長くするよりも、換気回数を増やした方が換気効率がよいのはなぜでしょうか?
編集部石川
ダイキン広報さん
たとえば、5分の窓開けでそのお部屋の換気が完了している場合、それ以上開けておいたとしても、お部屋の換気状況は変わりません。部屋を閉め切る時間が長いほど空気中に汚れは溜まっていくので、汚れの度合いが少ない段階でこまめに換気をした方がより清潔な室内環境を保つことができるという意味で効率的と言われています。なので、短時間でもこまめに換気をすることが大切です!
正しく換気をして、冬を乗り越えよう!
冬場は感染症が流行りやすい時期です。こまめに換気をして、部屋の空気をきれいに保ってくださいね。
新型コロナウイルスの感染は、まだ終息していません。部屋の換気はもちろん、こまめに手洗い・うがいをして元気にこの冬を乗り越えましょう。
<記事監修:ダイキン工業株式会社>
ポッケ専門家チーム
作者