【人には聞けない産後のめまい】急なめまいや立ちくらみは病気なの?

産後のマイナートラブルとして、めまいを経験している人は少なくないと言います。

ですが、視界がぐるんと回ったように感じたり、目の前が急に暗くなったりするなど、慣れない症状から不安が大きい不調の一つです。

この記事では、産後のめまいはなぜ起こるのか、どのように対処すればいいのかをご紹介します。

半数以上の人が産後のめまいに悩んでいる

産後のめまい

厚生労働省の調査で、めまいに悩まされている女性はわずか2〜3%ということがわかっています(※1)。ですが、編集部の調査(※2)で、産後のママはその調査よりはるかに多い、半数以上の人がめまいに悩まされていることがわかりました。

産後のめまいに悩まされているママのうち、ちょうど半数の人は、産後になって初めてめまいに悩まされるようになったと回答しています。

出産とめまいには、どのような関係があるのでしょうか。

産後のめまいは、なぜ起きるの?

授乳クッション

産後のめまいに悩まされているママに、めまいの症状について教えてもらいました。

授乳後にめまいがします

妊娠前からめまいに悩まされていましたが、産後は、授乳後にめまいがするようになりました。

愛瑠ママ

歩いているときにフラフラ…

産後、急にめまいがするようになりました。夕方に起きることが多く、歩いているときにフラフラします。出産してまだ1ヶ月経っていないので、その影響もあるのかもしれません。

まーママ

疲れているときにめまいがします

産後、めまいに悩まされるようになりました。疲れているときにめまいがするので、子どもが寝ているときは一緒に休むようにしています。

さきママ

産後のママからめまいの相談を受けるという、助産師で看護師の河井先生に産後のめまいの原因を教えてもらいました。

河井先生

河井先生

出産や育児での疲労が影響しています

めまいの訴えは産後の入院中がもっともが多く、2週間健診、1ヶ月健診と次第に相談は減ってきます。

体験談で寄せられているように、出産によるダメージや育児での疲れが影響してることが多いですね。産後のめまいは、以下が原因とされています。

● 分娩時の出血による鉄分不足
● 授乳による鉄分不足
● 育児による睡眠不足や疲労
● ストレスからくる自律神経の乱れ

産後のめまい、対処法とその効果は?

産後のめまいに悩まされているママたちがとっている対処法について、河井先生にアドバイスをもらいました。

産後のめまい【対処法①】
目を閉じる

立ち上がるときに視界が白くなったり、見る方向を急に変えるとものがブレて見えることがあります。しばらく目を閉じて、落ち着くのを待つようにしています。

あんころもちもちママ

河井先生

河井先生

めまいがするときは、目を閉じて、目に入る刺激を遮断したほうがよいとされています。座ったり横になったりするなど、体の安定を確保してから目を閉じるようにしましょう。

産後のめまい【対処法②】
座る、もしくは横になる

ママ 体調不良

疲れが溜まっているときに、一瞬、視界がぐるんと回ることがあります。座るか、横になってめまいが落ち着くのを待ちます。

いとママ

河井先生

河井先生

座ったり横になることでめまいが落ち着くことは多いようです。立っていると倒れたときにケガをする恐れがあるので、なるべく座ったり横になったりしましょう。

産後のめまい【対処法③】
遠くのものをぼんやり眺める

集中して何かに取り組んでいるときに、めまいが起きやすいです。一点を見つめるのをやめ、遠くをぼんやり眺めるようにしています。

ゆーこママ

河井先生

河井先生

めまいがしているときは、動くものを見ないほうがよいとされています。遠くを見るときも、動くものはなるべく避けたほうがよいですね。

動くものや光などはもちろん、音も刺激になります。めまいがするときは、目や耳に入る刺激を遮断するといいですよ。

産後のめまい、予防法とその効果は?

先の章では、先輩ママが実践している対処法をご紹介しました。できることなら、産後のめまいは予防したいですよね。

この章では、産後のめまいの予防法を、河井先生のアドバイスとともにご紹介します。

産後のめまい【予防法①】
鉄分を多く含む食材を摂る

レバー ヘム鉄

立ちくらみがすることが多いです。妊娠中から、プルーンを食べて鉄分を補給しています。

こうちゃんママ

河井先生

河井先生

鉄分不足からくるめまいには、効果が期待できます。鉄分は、吸収率があまりよくない栄養素です。効率よく鉄分を摂るなら、「ヘム鉄」を含むレバー(鶏・豚・牛)や赤身肉(牛もも)を食べるのがおすすめです。

鉄分は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ると、吸収率がアップしますよ。

産後のめまい【予防法②】
体勢はゆっくり変える

子どもの面倒を見ていて、立ち上がったときにめまいがすることがあります。急に立ち上がるのではなく、体勢はゆっくり変えるようにしています。

らなそママ

河井先生

河井先生

勢いよく立ち上がると血圧が急に下がり、気分が悪くなることもあります。体勢をゆっくり変えるのは、めまいだけでなく転倒の予防にもなり、とてもいいことです。

産後のめまい【予防法③】
スマホを見続けるのを控える

最後に、河井先生が産後のめまいに悩まされているママに対して、アドバイスをご紹介します。

携帯 スマホ ママ 赤ちゃん

河井先生

河井先生

育児の合間に、スマホを見るのを楽しみにしているママも多いと思います。ですが、スマホを見すぎると首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなります。すると、めまいを引き起こすことがあります。スマホを見るときは、長時間、没頭しないように気をつけるといいでしょう。

また、疲労や睡眠不足は自律神経にも影響を与え、めまいの原因になります。家族にサポートをお願いして自分だけの時間を作ったり、しっかり休息を取るように心がけてくださいね。

産後のめまい、受診の目安は?

産後 頭痛

めまいに悩まされている女性は多く、「寝不足だから」「生理中だから」と理由をつけて受診を先延ばしにしてしまう人も少なくありません。

ですが、以下の症状が見られるときは、すぐに受診したほうがいいと河井先生はおっしゃいます。

河井先生

河井先生

めまいとともに以下の症状があるときは、脳の病気が隠れている可能性があります。

● 顔にしびれがある
● 手足にしびれがある
● ろれつが回らない
● 激しい頭痛がする
● ものが二重に見える
● 強い吐きけを感じたり、嘔吐する

めまいは、頑張りすぎている体からのSOS

ママと赤ちゃん

産後は赤ちゃんのお世話を優先させてしまい、自分の体のケアは後回しにしてしまうママが少なくありません。

もし、めまいがしてママが転倒してしまったら?そう、ケガをしてしまう可能性もあるのです。産後のママの体は、ママが思っている以上にダメージを受けています。

「自分の体をいたわることも、育児をするうえで大切なことですよ」河井先生からのアドバイス、ときどき思い出してくださいね。


監修:河井 恵美

監修:河井 恵美

助産師、看護師/エミリオット助産院

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方のサポートをしています。Web上でエミリオット助産院を開設し、助産師オンラインサービスで様々な相談も受けています。

※2アンケート概要
実施期間:2019年5月26日~2019年5月27日
調査対象:子育てアプリ「ninaru baby」利用者
有効回答数:232件
収集方法:Webアンケート