なんでも「イヤ!」「自分でやる!」と主張したり、かと思えば「やって!」と甘えてきたり…。
そんなイヤイヤ期の子どもに、ついイライラしてしまう…というパパ・ママも多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するエッセイの作者であるヤマシタさんも、子どものイヤイヤに振り回されているパパの1人。
2人の子どものイヤイヤに挟まれ、思い通りにならない毎日。
そんな中でヤマシタさんが気づいたこととは、一体どんなことだったのでしょうか。
イヤイヤ期の子は、まさに「小さなギャング」
子育てをしていると痛感するんですけど、よく言われる魔の2歳児&イヤイヤ期、この時期のしんどさ…。
1人目の育児の時は「噂に聞いていたやつはコレか!」と、ちょっとした感動すら覚えました。
子どもを見守り、イヤイヤを楽しむ余裕もありました。
が、4歳でまだワガママ盛りの1人目を育てつつ、1歳半の2人目がイヤイヤ期に突入して板挟みの状態に…。
この2対1で数的不利な状況で、さらにダブルでイヤイヤに突入すると、もうヤバいんです。
未就学児ってまさしく小さなギャングみたいなもんで、家庭内で軽犯罪を犯しまくるアウトローども。
ちょっと気を抜けば我が家は世紀末。
「ヒャッハー!!!」とオモチャのバイクで家中を荒らし回り、床中に地雷のようにレゴを展開され、うっかりレゴを踏んで激痛に悶える日々…。
って、言ってるそばから洗面所から聞こえてくる次女の「じゃじゃー♪」という声と水の音。
ビショ濡れ全着替えの次女と、散乱する歯磨き粉、出されまくったハンドソープ…。
もうね、逮捕・投獄したい。
親にだってイライラ期がある
こどもにイヤイヤ期があるように、親にだってイライラ期があると思うんですよ。
僕だって、仕事が詰まっている状況で子守していると、全然余裕ないですからね。
今まさに、全然余裕が、ない!
心に余裕のある時は、多少のワガママなら一緒におもしろがれるんですけど、今やられるとただただ面倒。
こういう「状況によって親の反応が変わり、一貫性がない」のって、子供は混乱するらしいんです。
前は褒められたのに怒られたり、前は許してくれたのにダメって言われたり。
だから、なるべく一貫したルールを守ってあげてください。
な〜んて育児書には書いてあるんですけどね。
「そんなんできるかーっ!!!」
って感じですよね。
親って言っても、つい最近までハナタレの新米だったわけです。
そんな急に子どもが生まれたからって、聖人君子にジョブチェンジなんてできないんです。
もう35歳ですけどね、言っちゃなんですけど20代の頃に想像していた35歳って、もっとずっと完璧な大人だと思っていたんですけどね。
んなこたぁない。
子どもに対して腹をたてるのはキリがない気もするんですけど、やっぱりイライラするもんは仕方がないと思うんです。
ポジティブなあきらめが肝心
で、イライラするとどうしても子どもに対して理解を求めて叱責するわけです。
でも、子どもに分かるはずがないんです。
なんで怒られているのか、たぶん全然伝わっていない。
だって、何度怒っても繰り返しますからね。
やっぱり、こう、力技でどうにかしようとしても無理なんだろうなぁ…というのは、2人育てていて最近感じています。
言うなれば、「ポジティブなあきらめ」が肝心。
あぁ、もう今日の仕事の時間はだいぶ削られるな…。
とか、
買い物は寄れないな…。
とか。
ここで「この子がいるから私は〇〇ができない」って思い始めると、たぶん虐待とかの方向に行っちゃうんでしょうね。
だから、虐待に走る人たちの気持ちもちょっとだけ分かります。
でも、よくよく考えると、暮らしの中の優先順位で「親子の時間」ってかなり上位なハズなんですよ。
それこそ仕事よりも上だと思うんです。
なぜなら、
仕事は代わりがいるけれど、親に代わりはいないから。
そう思うと、まぁ多少思い通りにいかないくらいは大目に見ようかな、と思います。
…なんて言っているそばから、今度は延々とトイレを流す音が聞こえてきたので、やっぱり逮捕・投獄してきます。
僕が悟りを開ける日は来るのだろうか…。
記事提供:ヤマシタ マサトシ
ヤマシタ マサトシ
作者
お店を作ったりお店を運営したり、モノを書いたり、コンサルしたりする人。デザイン論からマーケ・グルメ・育児ネタまで。地黒で腹黒な毒舌家ですが、好物は糖分です。2児の父。店舗デザイン事務所OFFRECO代表/吉祥寺http://awai.tokyoオーナー
ポッケ編集部PICKUP育児エッセイ
作者