離乳食が始まると、予想以上の手間から「いつになったら大人と同じご飯を食べられるようになるの?」と思うママも多いようです。
赤ちゃんはこの先、どのように離乳食を進めていくのか、PART2では母乳やミルクと離乳食の割合、1回あたりの食事で食べる離乳食の量についてご紹介します(※1,2)。
離乳食の進め方は個人差がとても大きいので、赤ちゃんの様子を見ながら無理なく進めていってくださいね。
離乳食の進め方:母乳やミルク、離乳食の割合は?
赤ちゃんは、生まれてからの5〜6ヶ月間、おっぱいやミルクに慣れ親しんできました。
ですが、赤ちゃんの成長とともに、おっぱいやミルクだけでは栄養が足りなくなってしまいます。
おっぱいやミルクが好きなあまり、なかなか離乳食が進まないこともあります。しかし、赤ちゃんの発育のためにも、少しずつ離乳食の割合を増やしていきましょう。
【初期】離乳食と母乳・ミルクの割合
離乳食初期は、母乳やミルクと異なる質感のものを飲み込む練習と、食材の舌触りや味に慣れることが目的。
そのため栄養の中心はまだまだ母乳・ミルクで、離乳食から摂る栄養は、1回の離乳食の1/3程度、1日全体でも10%未満です。
★は離乳食、☆は母乳・ミルクを表します。
時間 | 生後5ヶ月頃 | 生後6ヶ月頃 |
6:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
10:00 | ★☆☆(1/3) | ★☆☆(1/3) |
14:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
18:00 | ☆☆☆ | ★☆☆(1/3) |
22:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
【中期】離乳食と母乳・ミルクの割合
離乳食中期になると、1回の離乳食タイムで摂る栄養の中心は離乳食に変わります。
離乳食より、おっぱいやミルクを欲しがる赤ちゃんもいます。ですが、離乳食をしっかり食べさせてから、おっぱいやミルクを与えるようにしましょう。
★は離乳食、☆は母乳・ミルクを表します。
時間 | 生後7ヶ月頃 | 生後8ヶ月頃 |
6:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
10:00 | ★★☆(2/3) | ★★★☆(3/4) |
14:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
18:00 | ★★☆(2/3) | ★★★☆(3/4) |
22:00 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
【後期】離乳食と母乳・ミルクの割合
離乳食後期になると3回食が始まり、1日トータルでの離乳食と母乳・ミルクの割り合いがほぼ半々になります。
この頃は鉄分などの栄養が不足しやすいため、鉄分を多く含む食材を離乳食に取り入れ、しっかり食べさせるようにしましょう。
★は離乳食、☆は母乳・ミルクを表します。
時間 | 生後9ヶ月頃 |
6:00 | ☆☆☆☆ |
10:00 | ★★★☆(3/4) |
14:00 | ★★★☆(3/4) |
18:00 | ★★★☆(3/4) |
22:00 | ☆☆☆☆ |
3回食に慣れてくる生後11ヶ月頃からは、3回の離乳食タイムでは、離乳食で栄養を摂りきるようにします。
授乳タイムは麦茶に置き替えるなどして、母乳・ミルクの量を少しずつ減らしていきましょう。
時間 | 生後11ヶ月頃 |
朝食 | ★★★★ |
10:00 | (母乳・ミルクは欲しがったら) |
昼食 | ★★★★ |
15:00 | 捕食で栄養を補う |
夕食 | ★★★★ |
22:00 | ☆☆☆☆ |
【完了期】離乳食と母乳・ミルクの割合
時間 | 生後12〜18ヶ月頃 |
朝食 | ★★★★ |
10:00 | (母乳・ミルクは欲しがったら) |
昼食 | ★★★★ |
15:00 | 捕食で栄養を補う |
夕食 | ★★★★ |
22:00 | (母乳・ミルクは欲しがったら) |
離乳完了期では、1日3回の食事を中心として生活リズムを整えていきます。
1歳からは牛乳も飲めるようになります。1日トータル300〜400mlを目安として、調理に使用したり、おやつ(補食)などに与え、無理のないペースで母乳・ミルクから卒業しましょう。
教えて先輩ママ!
おっぱい・ミルクの減らし方
赤ちゃんは成長とともに多くの栄養を必要とするため、おっぱいやミルクからだけでは十分な栄養を補えなくなります。
ですが、おっぱいやミルクが大好きで、離乳食がなかなか進まない赤ちゃんも珍しくありません。
先輩ママは、どのようにしておっぱい・ミルクと離乳食の量を調節していったのか教えてもらいました(※3)。
食後の様子を見て母乳の回数を調節
離乳食をよく食べるようになるまでは、食後に欲しがるだけおっぱいを飲ませていました。
次第に離乳食だけで満足できる日が出てきて、食後に遊んだり、機嫌がいいときはおっぱいはあげないようにして、徐々に回数を減らしていきました。
まゆママ
食べムラに応じて母乳を足しました
うちの子は食べムラが激しかったので、意識的に母乳を減らすというよりは、子供の様子にあわせて調節していました。
離乳食をあまり食べない日はおっぱいをよく飲んでいたし、離乳食をよく食べた日はほとんど飲みませんでした。自然に任せていましたが、とくに問題はありませんでしたよ。
いーなママ
体重の増えを見てミルクを再開
娘は離乳食が大好きで、開始直後から順調にステップアップしてきました。離乳食後期から食後のミルクを少しずつ減らしましたが、体重があまり増えなくなってしまったので、ミルクを再開して様子をみています。
めいママ
離乳食の進め方:1回あたりに食べる量は?
ここまで、離乳食の回数や母乳・ミルクとの割合についてご説明してきました。
離乳食と母乳・ミルクから栄養をバランスよく摂るようになる離乳食後期からは、「離乳食をしっかり食べさせるように」とされていますが、「しっかり」とは具体的にどれくらいの量なのでしょうか?
栄養素ごとに、離乳食1回あたりの目安量を写真でご説明します。
※量が30〜40gといったように幅がある場合は、赤ちゃんの様子を見て30gから40gへ増やしていくという意味です。
《穀類》固さを変えながら、量を増やします
初期 | つぶしがゆを1さじから 最終的に30〜40g |
中期 | 全がゆ50〜80g(中期に入ってすぐは7倍粥、慣れてきたら全がゆにするとよいでしょう) |
後期 | 全がゆ90g、もしくは軟飯80g |
完了期 | 軟飯80g、もしくはご飯80g |
市販の子供用茶碗は、1杯でご飯80〜100g入るものが一般的です。上の写真で使用している器は、容量265mlのものです。
おかゆやご飯の量の目安にしてくださいね。
《野菜・果物》穀類の約半分の量
初期 | すり潰した野菜を1さじから 最終的に15〜20g |
中期 | 25g |
後期 | 30〜40g |
完了期 | 40〜50g |
お米と違って水分を含みにくいため、見た目の量は少なく感じるかもしれません。
《たんぱく質》5種類をまんべんなく
たんぱく質は、以下の5種類から摂ります。たんぱく質の種類によって摂る量が異なるため、離乳期ごとに目安量をご紹介します。
【離乳食初期】たんぱく質の量
つぶしがゆやつぶした野菜に十分慣れてから、たんぱく質を取り入れます。まずは、豆腐、白身魚から開始しましょう。
卵なら(※) | 卵黄1個まで |
豆腐なら | 25g |
乳製品なら | 55g |
魚なら | 5〜10g |
肉なら | まだ与えません |
※最初は耳かき一杯程度から。少しずつ増やして、最大でも卵黄1個まで。卵黄を取り除くときに、卵白が混ざらないよう気をつけましょう。
【離乳食中期】たんぱく質の量
卵なら(※) | 全卵1/3個まで |
豆腐なら | 40〜50g |
乳製品なら | 85〜100g |
魚なら | 13〜15g |
肉なら | 10〜15g |
(※)最初は耳かき1杯程度の少量を与え、アレルギー反応が出なければ小さじ1杯程度まで少しずつ増やしていく。
【離乳食後期】たんぱく質の量
卵なら | 全卵1/2個まで |
豆腐なら | 50g |
乳製品なら | 100g |
魚なら | 15g |
肉なら | 18g |
【離乳食完了期】たんぱく質の量
卵なら | 全卵2/3個まで |
豆腐なら | 50〜55g |
乳製品なら | 100〜120g |
魚なら | 15〜18g |
肉なら | 18〜20g |
たんぱく質の種類ごとに摂る量は異なりますが、白身魚での量の違いは上の写真のとおりです。
量に大きな変化はありませんが、形状が次第に大きくなっていきます。
教えて!先輩ママ
離乳食の食材、種類・量の増やし方
離乳食で初めて食べさせる食材はいつ、どのような点に注意して与えたのかを、先輩ママに教えてもらいました。
飲み込みにくそうな食材は調理を工夫します
初期は粒がまったく残らないくらい滑らかにしないと、食べませんでした。豆腐ですら、ブレンダーで滑らかにしていました。
中期になってささみとツナにチャレンジしましたが、なかなか飲み込めずまたまた苦戦…。調理法を工夫したり、マッシュしたじゃがいもに混ぜるなどして、飲み込みやすい工夫をしています。
りっぺママ
食感の違いには苦戦しました
うちの子は、初期のペースト状から、粒が少し残った状態に移行させるときが大変でした。
上手にごっくんできずにむせてしまい、吐き出すこともありました。
しんちゃんママ
噛む練習がうまくいきませんでした
息子はあまり噛まずに、そのまま飲み込んでしまうことが少なくありません。
中期、後期と移行しておかゆの水分が減ってくると、喉につっかえて戻してしまうこともありました。
れいママ
初めての食材は平日の午前中に
初めてあげる食材は、アレルギーなどが出たときに受診できるように平日の午前中に与えるようにしました。
最初から全量あげるのではなく、ひと口だけ食べさせて何もなかったら、翌日以降に全量を与えるようにしました。
キキママ
離乳食は赤ちゃんのペースに合わせて進めて
PART2では、母乳やミルクとの割合、1回の食事で食べる離乳食の量についてご紹介しました。
生まれてから約半年間、おっぱいやミルクに慣れ親しんできた赤ちゃんにとって、舌触りの違う食材は飲み込みにくかったり、違和感を感じてしまうこともあります。
いつまでも滑らかな状態では噛む練習ができないので、とろみをつけたり、ほかの食材と混ぜるなどして赤ちゃんが食べやすい工夫をしてあげましょう。
PART3では、食材の固さや大きさ、離乳食完了後の幼児食の注意についてご紹介します。
※3 アンケート概要
実施期間:2018年11月36日~2018年11月28日
調査対象:「ninaru baby」利用者
有効回答数:69件
収集方法:Webアンケート
監修:中村 美穂
管理栄養士・フードコーディネーター
東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしいたのしい食時間」を開催。書籍、雑誌等へのレシピ提供・監修も行っています。著書に『きちんとかんたん離乳食』(赤ちゃんとママ社)、『1~3歳発達を促す子どもごはん』(日東書院)など。2児の母。